カングーの燃料ポンプ交換を実施しました。
カングー1であればリアシート下にサービスホールがあるためサクッと交換できるのですが、カングー2にはそれがなく、作業には燃料タンクの脱着が必須となります……。
「ただタンクを降ろすだけ」と言えば簡単なように聞こえますが、こういうトラブルに限って燃料はなぜか「満タン」状態。そのまま降ろすのは非常に危険かつ困難なため、まずはガソリンの抜き取りからスタートです。
近年の車両は防犯構造などで給油口からノズルを入れて抜くことができないため、燃料ホースから抜き取るしかありません。ホースが素直に抜けてくれれば良いのですが、カングー2はスペースが狭く、アクセスするだけでも一苦労です。
無事に約50リッターのガソリンを抜き取り、いよいよタンク本体の降ろし作業へ。 マフラーや足回りが遮って邪魔になりますが、マウントを外したり知恵の輪のようにかわしながら慎重に隙間を通して降ろしていきます。
スチール製タンクだと重さ的にも地獄を見るところですが、軽量な樹脂製タンクだったのが唯一の救いです(汗)。


無事に燃料タンクを降ろし、原因のフューエルポンプを取り出しました。
写真の通り、コネクター部分が見事に焦げて溶損しています。
カングー2の定番故障ですね。
このトラブルのメカニズムは以下の通りです。
- モーター劣化による過電流
ポンプモーターが経年劣化や摩耗によって回りにくくなると、駆動時の電流値(アンペア)が上昇します。 - 接触抵抗部での発熱
高電流が流れる状態でポンプが常時作動し続けると、コネクター端子の接触抵抗部分に熱が集中し、まずは端子の酸化・変色から始まります。 - アース側への負荷集中と溶損
電流は回路全体を通って最終的にアースへと抜けていきます。そのため、端子自体の保持力低下(ゆるみ)や微細な腐食があると、最も抵抗が高くなったアース側のピンに熱が集中。最終的に周囲のプラスチック部分が焦げて溶け、通電不良(エンジン不始動)に至ります。
単に通電を戻すだけであれば、配線の補修やバイパス加工でポンプ自体は動く場合もあります。
しかし、根本の原因であるモーター負荷や経年劣化を考慮すると、再発防止と安全確保のために「フューエルポンプ本体の新品交換」が鉄則と言えます。


交換後は元通りに組み上げ燃料を戻し始動。
何事もなかったかのようにかかります。
ロードテストを繰り返し、始動や漏れがないことを確認して納車です。
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