整備士なら分かると思いますが、いま自動車の修理が難しくなっています。
なぜ難しくなったのかいくつか紹介致します。

1. 電子制御・ECUの急増とモジュール化
- 数十個に及ぶECUの連動
エンジンやミッションだけでなく、ドア、ライト、シートに至るまで個別のECU(電子制御ユニット)が制御しており、1箇所の不具合が全く関係のないシステムエラーとして表面化する。 - CAN BUS・DoIP通信の複雑化
車内ネットワーク通信が高度化し、配線図や通信プロトコルの理解なしには原因特定(故障探求)が不可能な構造になっている。
自動車修理というより電子部品の修理に近くなった・・・。
電圧をチェックなど間違った場所へ接続すると精密機器はすぐに故障する。
12V制御じゃないから厄介だ!
2. セキュリティゲートウェイ(SGW)と診断機の壁
- 汎用テスターの制限
近年の車両にはセキュリティゲートウェイが搭載され、市販の汎用スキャンツールではエラー消去やライブデータの閲覧すら制限される。 - 純正診断機(専用テスター)とライセンス契約の必須化
VW/AudiのODIS、メルセデスのXENTRY、ルノーのCLIPなど、各メーカーの純正診断機と年間ライセンス契約を結ばなければ正確な診断ができない。
このセキュリティも国産車と違って、ディーラーやメーカーが一切開示せずディーラーでしか修理出来ないようにしている。開示しないならディーラー車は100%受け入れをしなさい!他店購入の依頼など100%受入れをしないから他へ流れてくる。販売した責任を果たさないのであれば、SHOPへの情報提供はするべきだと思う。
3. オンラインプログラミング(コーディング)の義務化
- 部品交換後の「認証」手続き
単にハードウェア(部品)を新品に交換するだけでは作動せず、メーカー本国サーバーへオンライン接続してECUの初期化や車両VINコードとの紐付け(プログラミング)を行う必要がある。 - オフライン修理の限界
中古部品やリビルト品への打ち替え時、基板データのクローン作業やオンライン制限の回避など、高度な専門技術が求められる。
これは本当に厄介!
もう診断機が無ければ修理なんて出来ないし直せない。
交換したことをメインECUへ登録、またパーツの個体番号を書換えなければ動かないなど、もうなんなの?
4. ADAS(高度運転支援システム)とエーミング作業
- 特定整備制度への対応
エーミング(カメラやレーダーの校正・調整)を行うための専用ターゲット、水平フレーム、診断機が必要となり、設備投資のハードルが非常に高い。 - バンパー脱着やガラス交換時の必須工程
単純な鈑金・脱着作業であっても、再校正を行わなければ安全装置が正常に作動しないリスクが生じる。
これまた厄介。
ディーラーや大手ガラス屋、鈑金工場以外、こんな設備を入れることは難しい。
一般の工場では高額な設備の償却出来ません。
5. パーツ調達の複雑化とコスト高騰
- 部品価格上昇と為替の影響
純正部品の価格高騰に加え、海外からの物流コスト上昇や納期遅延が頻発。 - OEM・社外品の品質見極め
低品質な社外パーツによる二次トラブルを防ぐため、信頼できるサプライヤーの選定と適合確認の知識が不可欠。
純正部品の値引きはほぼ無い!定価の1~2%なんてことも・・・。
10万円の部品で僅か1,000円。こんな利益の商売はある??
6. メカニックに求められるスキルの変化と人材不足
- 「整備士」から「IT・電気診断エンジニア」へ
従来の機械的な整備(オイル・ブレーキ・足回り交換)だけでなく、オシロスコープを使った波形測定や回路図の読み解き、ネットワーク診断スキルが必須となっている。 - 技術継承と教育コスト
変化のスピードが早く、常に最新技術のアップデートやトレーニングを継続しなければ対応できない。
電気関係は資料がないと絶対に無理!
明らかな異常波形じゃない限り、オシロを使っても正常値が分からないならなんの意味もない。
整備士人口は30年前と比べると2万人ほど減少。30代から50代以上になっている・・・。
整備学校の入学者数は半分以下。
それなのに整備士へ求める台数や技術知識の負担が増加。
さらに賃金はかなり低い。これでは整備士になりたい人が増えません!
また、2026年10月から最低賃金が1,140円から1,195円へ引き上げされます・・・。
人件費を上げるには工賃を大幅に改善するしかありませんね。
話は戻りますが、メーカーやディーラーさん!
修理に必要なデータやセキュリティコードなど情報開示して下さい。
古いから!部品がないから!忙しいから!などで修理しないあなた達のケツを吹いているのは町工場ですよ。
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