誰もが経験したことがあると思います。
ブレーキ鳴きには様々な要因があるので一緒にみていきましょう。

結論からお伝えすると、ブレーキ鳴きは「どれだけ対策しても、構造上・物理的にどうしても防げない(あるいは完全にゼロにはできない)」場合があります。
特に高性能なブレーキシステムや、特定の状況下においては、不具合(異常)ではなく「正常に機能している証拠」として鳴きが発生することが多々あります。
なぜ防げない場合があるのか、主な理由をいくつか整理しました。
1. 鳴きが発生しやすい「高性能パッド」の特性
欧州車に多く採用されているメタル系・セミメタル系のブレーキパッドや、スポーツ走行向けの高性能パッドは、ローターを強く掴むために摩擦係数が非常に高く硬い素材で作られています。
物理的な宿命
ブレーキは「運動エネルギーを摩擦による熱エネルギーに変換する」装置です。
硬く摩擦力の強いパッドがローターと擦れ合う際、どうしても微振動(高周波振動)が発生しやすく、それがキャリパーやサスペンションに共鳴して「キーキー」と音が鳴ります。
これを完全に消そうとすると、本来の制動力を落とさざるを得なくなります。
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2. 環境や気候による影響
ブレーキはむき出しのパーツであるため、外気温や湿度、天候に激しく影響を受けます。
朝一や梅雨時期の鳴き
夜間にローターの表面に薄いサビ(薄膜)が張ったり、朝露や湿気で摩擦係数が一時的に変化したりすると、走り始めの数回だけ「キー」と鳴ることがあります。
これは数回ブレーキを踏んで当たりが出れば消えるため、予防しきることは不可能です。
温度変化
ブレーキが冷え切っている時(極低温)や、逆にハードな走行で超高温になった時など、適正温度から外れた瞬間にだけ鳴きが発生することもあります。
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3. パーツの「相性」と経年劣化
パッド単体、ローター単体では問題なくても、組み合わせ(相性)によって共振周波数が一致してしまうと鳴きが発生します。
ローターの摩耗・段付き
パッドだけを新品に交換した場合、摩耗してエッジ(段差)ができた古いローターと角が干渉し、削れるような鳴きが発生します。
パッドの面取り(角を落とす加工)やグリスアップである程度は緩和できますが、ローター自体が摩耗している場合は、ローターを研磨するか新品交換しない限り根本的には止まりません。
「問題ない鳴き」と「危険な鳴き」の見分け方
防げない鳴きがある一方で、放置すると危険なケースもあります。音の種類で簡易的に判断できます。
| 音の種類 | 主な原因 | 緊急度・対策 |
| 「キー」「チー」 (鳴いたり鳴かなかったり) | パッドの特性、湿気、一時的な共振 | 低:制動力に問題がなければ、構造上の特性であることが多いです。 |
| 「キーーー」 (常に、または踏むと必ず) | パッドウェアインジケーター (残量警告の金属片) | 高:パッドの残量が限界(残り2mm以下など)です。早急な交換が必要です。 |
| 「ゴー」「ジャリジャリ」 | パッドの摩耗限界(地金が出ている)、 または異物の噛み込み | 極高:ローターを削ってしまっています。そのまま走るとブレーキが効かなくなる恐れがあり危険です。 |
まとめ
「鳴き止めグリスの塗布」「シムの調整」「パッドの面取り」など、メカニックが現場で行う最善の対策を尽くしても、車両のキャラクター(特に制動力を重視した欧州車など)や乗り方、環境によっては、ある程度のブレーキ鳴きは「お付き合いしていくもの」として受け入れざるを得ないのが現状です。
もし、以前に比べて明らかに音が大きくなった、あるいはペダルから嫌な振動(ジャダー)が伝わってくるような場合は、パーツの寿命や偏摩耗の可能性が高いため、プロによる点検をおすすめします。
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